2011/05/28 渋さ知らズオーケストラ@三豊市の河野さんの倉庫

去年につづいて田んぼでやるはずでした。しかし大雨に台風の接近。渋さのみなさんは九州から今日だけ四国に来て明日はまた九州という苛酷スケジュールの上、田んぼにおける楽器の心配、「投げ銭」システムなのでビジネス的な不安、などあってキャンセルもあり得たところでした。

実際はうちの研究室の学生がインターネット中継をする予定でしたが、雨のためこれも中止。

しかし、来てくれました。そして、企画者が凄い。周辺の田んぼや倉庫の持ち主である豪農河野さんが、自らの籾摺り倉庫(中には豪華米加工機械がずらり)のトタンの壁をぶち壊し、倉庫前の小山をブルドーザーで整地して、あっと言う間にライブ会場をこしらえたというのです。これは、メンバーも気合いを入れて演奏するでしょう。メイキングビデオを公開してほしいくらいです。

というわけで、倉庫がステージ、整地されたところが客スペース。客は合羽でスタンディング。私は前年準備のために買った長靴もあって功を奏しました。

17:30 開演で、いきなり、ナーダム。雨の中でじっとしていたら惨めになるだけなので、テンションも上がり、超ダンスモード。脇にはちょっとサイケな塗装もされたフォークリフトがあり、せり上がったフォークリフトのシャベル部分が舞踏ステージ。

演奏は切れ目なくどんどん続き、知らぬ間に曲が移り変わる。白塗り舞踏班は破壊された壁に残された鉄骨をはい回り、宝子さんは不破さんの押す台車がステージとなって客席をかけめぐり、あるいは倉庫内に即興で持ち出された楽器ケースや丸椅子がステージになる。地元褌ダンサーは今年も登場したが、急拵えのため「パンツの上に褌」や「Tシャツ来てる」人もいて、褌のプロ渡部さんに一喝される。

途中で出て来た南波トモコさんは黒のゴシック調ミニドレス。

暗くなると松明隊も登場。客席で松明振り回してたけど、事故にならず幸いでした。

演奏中も投げ銭回収スタッフが巡回。お札がびしょぬれどろんこ。

私は長靴で踊りまくり。こんなに踊ったことはないが雨によるハイテンションのせい。長靴はただでさえ重いのに、泥がついてさらに重くなる。足が上がらない。

演奏では辰巳さんのトランペットとテルミンに注目。トランペットは一時まるでフルートのように柔らかな音を出したが、あんなトランペットは聞いたことがない。そしてテルミンテルミンらしい柔らかく宇宙的な音ではなく、激しい鋭角な音。曲の激しいリズムに合わせて音も合わせてテルミンを演奏するとは!そして演奏がそのままダンスになっている。これは凄い!

そして斎藤さんのギターソロ、磯部さんのドラムソロ、立花さんのサックス、関根真理さんの「ひこーき」等の印象が今日は強かった。

最後の本多工務店のテーマでは、トモコさんが第一ボタンを外してブラちら見せで登場。さらに雨の中、フォークリフトのてっぺんまで上がって他の舞踏者二人とポーズをとったところが素晴らしくシュールでありました。素敵。

客は100名程度とはいえ、世界でここにしかない、そして二度とないライブでした。

中継がなくなったので来なかった学生は反省すべき。