Footprints in New York / Kaoru Azuma

Kaoru Azuma (vo), Scott Reeves (alt flugelhorn, tb,), Mike Holober (p), JesseForest (g), Robinson Morse (b), Paolo Orlandi (ds)

東かおるさんの vocal は吐息の混じり加減がボサノバっぽい。パワーで押すのではなくて絶妙の脱力感がある。(もちろん力抜けすぎでもない)。その加減がハートに響いてくるのが心地よい。アルト・フリューゲルホーンという珍しい楽器の柔らかい音もうまくマッチしていると思う。

このアルバムではジャズの有名な曲(有名という意味ではスタンダードだがボーカリストが取り上げないという意味ではスタンダードではないので敢えてスタンダードと言わない)を多くやってるのだが、ほとんどが器楽曲。つまりヴォーカリーズしている。一部は日本語でのヴォーカリーズ。Confirmation, Yes or No, Giant Steps のように有名な演奏は高速テンポである曲も、ここではミドルテンポに落してゆったりと流れている。3曲目の "Hana & A Flower Is A Lovesome Thing" は喜納昌吉さんの "花" と Billy Strayhorn の "A Flower Is A Lovesome Thing" を混ぜてアレンジしたもの。などなど、東さん自身によるアレンジも凝りに凝っている。

ここには収録されていないが、東さんは Doxy の日本語ヴォーカリーズも持っているので次回作にも期待。