2011/05/23 多田誠司 一人旅ライブ@高松 Speak Low
多田誠司 (as, fl), 藤井聡 (p), 浜野光男 (b), 山下靖人 (ds)
地元出身多田誠司さんが地元トリオとのセッション。というわけで、スタンダード中心のスタンダードなジャズセッション進行の比較的ゆるい感じで流れました。
- Summertime
- Early Summer (藤井さんオリジナル)
- Body and Soul
- A True Courage (多田さんオリジナル)
- I Hear a Rhapsody
<休憩>
- All the Things You Are
- Anti Calypso
- 竹田の子守唄
- Feel Like Makin' Love
- ヘイ、ジョーイ (藤井さんオリジナル)
<アンコール>
- ? (私が曲名忘れた)
今回は A True Courage と竹田の子守唄で聞けたフルートについて触れたいと思います。一時はあまりフルートを吹いていなかったが、最近は比較的吹いているそうです。美しく、味があり、色々なテクニックを見せてくれました。当たり前ですが感動的に上手いです。
我々同級生からすれば、中学高校時代は「フルートの多田」のイメージ。彼がサックスを吹き始めたのは大学からなのです。
特に A True Courage は震災後に日本ツアーを敢行した Phil Woods と、ハイパーレスキュー隊と、津波のアナウンスをし続けて犠牲になった女性の勇気を讃えた曲とのことですが、美しいメロディで素晴らしかった。
アルトの方は、最後のヘイ、ジョーイが特に熱演でした。
2011/05/09 吉田次郎 & 坂井紅介 @高松 Speak Low
吉田次郎(g) 坂井紅介(b)
連休明け。先週の3日間遠征の疲れがまだ取れず、体調がすぐれない。チケットは買ってあったがどうしようかと思いつつ、行って正解。
ギターマニアでもプレイヤーでもない私は、ギターには疎い。吉田次郎さんはよく知らなかったが、NYC に拠点を置き、セルジオメンデスとツアーをし、ポールマッカートニーのバックを務め、スタジオミュージシャンとして万を数えるレコーディングをし、プロデューサーとしても活躍するギタリスト、でした。
紅介さん曰く「野球はイチロー、ギターはジロー」。キカイダーのことではありません。アメリカで成功した代表的日本人という意味。
紅介さんの名前はもちろん知っていましたが、残念ながらたぶんプレイに接したことはありませんでした。紅介さんはスタジオミュージャンもやってるそうです。
次郎さんが浜崎あゆみのレコーディングをしたスタジオには、その直前に紅介さんが椎名林檎のレコーディングに来ていたとかいう話も出ました。
前置きが長くなりました。
次郎さんは、三種類のギターを使い、紅介さんは180年モノのベースを使う。次郎さんが最初に使ったグリーンのギターはリバーブが効かされていて、クリアな音質。他にはクラッシック風のギターと、やや大ぶりのジャズらしいギター。ちなみにエフェクタ類は次郎さんがCM曲を担当してCMの賞をとったというエネループで動いていて、乾電池だとACと違ってノイズが乗らないのでよいのだそうです。
紅介さんのアルコが宇宙的なサウンドの Summertime 。次郎さんはアルペジオでサポート。だがこのアレンジは次郎さんによるもので、コードが変更してあって、 II-V を一度も使ってないのだそうだ。(言われないとわからないですが。)
いろいろな曲で出て来る次郎さんの超絶技巧の早弾きに応える紅介さんの早弾きベース。唖然。
そうでありながら、紅介さんのソロは元のメロディーがたどりやすくわかりやすい。
Willow Weep for Me や One Note Samba などでの二人の掛け合いは絶妙。
Paul McCartney にちなんで Yesterday と Spain の複雑にアレンジされたソロ。
アンコールは What a Wonderful World のソロと 「朝日のように」のデュオ。
すべての時間が短く感じられる素晴らしいライブでした!予定外でしたがCD購入してサインもらって来ました。貴重。
2011/05/05 スプラゥトゥラプス@神戸 WYNTER LAND
Big Apple → 春一番 → WYNTER LAND と、追っかけ3日目。
セットリスト:
1. A Sprout
2. 雨あがり
3. あノいちばん
4. MAKE OURSELVES
5. ゆれている (新曲:仮題)
6. 3時の見て見ぬふり
7. A Fala da Paixao8. ホビットの夢
9. 私は宝
10. 花の答え
11. 狸 (仙波さんの buson に入ってる曲)
12. 軽い心 (矢野誠さんの曲)
13. 月の裏側
14. 起きて下さいアンコール
15. Four to Three
16. じかん のびちぢみ
17. Three Views of a Secret
この日は神戸では二日目ということで特に後半意識的なセットリスト。狸、軽い心というレアな曲も聞けました。
その前にあった「私は宝」での美潮さんの声の伸びが素晴らしかった。前日のハスクリアもよかったけれど、Big Apple のような小さい会場では感じられない声の伸び。会場は大事ですね。
そして、「花の答え」では美潮さんがフレットレスベース(ストラップ短い)を弾き、大川さんがアコギ。楽器が増えて音の厚みがとても素晴らしかったです。美潮さんのベースを見たのはたぶん初めて。
アンコールであった Four to Three もこのユニットでは初めて聞きました。ウズマキマズウとは違った味で、特に吉森さんの参加が変化をつけますね。
「じかんのびちぢみ」はアルバムに入れようかどうしようか迷ったけれど、一曲だけ曲の雰囲気が変わるので止めたとのことです。
2011/05/04 春一番 2011 @ 服部緑地野外音楽堂
入場に長蛇の列。私の知ってる限り(少しですが)の春一番最大の入り。お天気がよいということもあるんでしょう。でもなんとか良い場所に座れました。
1. 小倉ホズ (オープニングアクト)
2. 豊田勇造 & YUZO BAND
3. ぐぶつ
人数の多い年長ロックバロンド。わりと明るかった。
4. リトルキヨシトミニマム!gnk!
リトルキヨシ (vo, g)さんと gnk (ゲンキ) (ds, vo) さんの二人組。 from 横浜
ゲンキさんは加川良さんの息子さんだそうです。その関係で一曲目は加川さんが飛び入りで歌う。ゲンキさんは vocal ではながーい音を歌ったりと芸達者。リトルキヨシさんも元気のある歌とギターでよかったです。
ゲンキさんの名言「33歳です。最年少らしいですけど、どうなってるんでしょうこのイベントは」
5. 山中一平&河内オンドリャーズ
早い時間から河内音頭。今年は芸妓さんまで登場(綺麗でした)。ですが、私は三味線とドラムをガン見してました。ドラムは特に変わったことはしなかったように思います。三味線(虹ともみさん)は、やはり音頭の華ですね。キーボードがほとんど聞こえなかったのが残念。
6. ヤスムロコウイチ (vo g)
車で寝泊まりしながら全国をツアーしているそうです。最後に歌った、戦場のこどもをテーマにした歌がよかった。ギターだけどベースのような使い方がよかった。
7 . 小川美潮・スプラゥトゥラプス
司会の風太さんはスプラゥトゥラプスをなかなか言えなかったようです。
この日は、前日より美潮さんの調子はよかったんじゃないだろうか。
A sprout, 雨上がり、ハケの道に続き、 あべさんに捧げる「ハスクリア」が、特に圧巻でした。
最後は「起きてください」。
もちろん演奏の質も高い。贔屓目もあるけど、(ジャズ系を除けば)他のバンドとは違いますね。
8. いとうたかお (vo, g), 小倉ホズ (kora), 他
オープニングアクトのユニットがリーダーを替えて再度。
kora というエスクニックな楽器がいいです。小倉さんのボーカルがまたいい。声がいい。発声がいい。
9. 木村充揮 with MOON CALL
木村さんはすごい人気ですね。ものすごい人がステージ下に集まった。
でも僕が見たいのは後ろのバンド。梅津さん、井野さん、小山彰太さん、ですよ。ギターは池田定男さん。そして若手のピアノの阿部篤志さんもすごくよかったのです。(そして後日私は阿部さんと交流を深めることになるのですが、それはいずれ。)
なのに木村さんに全部もっていかれる。木村さん抜きで一曲でもやって欲しかったよ。
やった曲は summertime, paper moon, caravan, on the sunny side of the street などで日本語詞のものが過半。
10. 藤井裕 (vo, g), とうこ (vo), イカ松(perc, cho)
藤井さんは清志郎さんの関係者みたいです。 daydream believer もありました。
とうこさんは、うまいわけではないんだけど、可愛いタイプ。
イカ松さんはぐぶつのメンバーで、バカボンのパパのような出で立ちでほぼワンパターンのジャンベを叩いているのですが、コーラスがルックスに似合わず綺麗でした。
11. 笑福亭福笑
落語。舞台の床が人力で回転するという新しい試みですが、やりにくそうでした。
福笑さんの名言「春一番も長いことやってますと、高齢化して、同窓会みたいになってきましたな。元気にしてるかと、生死を確認するような会に…」
本当にそうです。若手をもっと入れればいいのに。
12. リクオ (p, vo)
この人いいですね。すごく盛り上がりました。かっこもいいし。
梅津さんも参加。
14. 坂田明 UNIT
坂田明 (as, cl, voice), ジム・オルーク (g), 高岡大祐 (tuba), 山本達久 (ds)
今回最大のお目当てです。ステージ下行きました。今年もすごかった。
特に、ドラムの山本さん。初めて見る、わりと若そうな人です。高速にして繊細なドラミングに加え、変幻自在で何が飛び出すかわからないパーカッション。さすが坂田さんとやるだけのことはあります。惚れました。
高岡さんは以前仏生山の電車ライブでお目にかかりました。役回り的にあまり目立たないのは仕方ないか。
ジムは今年ものけぞる演奏でした。ギターのコードをひっこぬいて、手でコードをにぎって音を出すなんて……。
そして坂田さんは当然の演奏。ボーカル部分もかなり盛り上がりました。周囲にいた人の話だと、南相馬の盆歌を歌ったらしい。
いやほんま、最高。フリージャズ最高。
15. 石田長生 (vo, g)
トリ。
2011/05/03 スプラゥトゥラプス@神戸 Big Apple
小川美潮 (vo, shaker), 吉森信 (pf), 大川俊司 (eb, ag), whacho (perc), 小林武文 (ds, tabla)
Big Apple は初めてですがこじんまりしたお店で近くでみられたのがよかったです。
この日は、カウンターからながめましたが、至近距離でオイラーさんのドラム。繊細にして軽快なスティックさばきに感嘆いたしました。whacho さんのパーカッションとの掛け合いも見ごたえがありました。
スプラゥトゥラプスを知らない人に説明するのはなかなか難しいですが、ただのアコースティックな歌モノではなくバックの自由なからみが凄い。でもいわゆるジャズでもない。とにかく見て欲しい聞いて欲しいユニットです。
新しい曲もありましたが、アンコールでは、リクエスト(?)で「デンキ」も!予定外のことで最初テンポが合いませんでしたが、途中からいい調子になってきました。このユニットでのデンキは貴重。吉森さんはふだんこの曲はしてないと思いますが、さすがです。
そして今回はCD発売ツアー。新しいCD初めて見ましたが、ジャケットは大川さんのお兄さん(叶姉妹やら exile やら上戸彩の写真集も手掛ける有名な人らしい)による写真でとてもいいです。そして、お店でかけてくれましたが音も素晴らしい。買うべし。(mishio.com から買えます)
2011/05/03 春一番 2011 @ 服部緑地野外音楽堂
二年ぶり3回目の参加。頭からいくはずが、中国道上り宝塚西トンネルの事故渋滞のためまにあいませんでした。
あべのぼるさんが亡くなって最初の春一番でもあります。「トイレはこっちとこっち」というあべさんのいつものアナウンスを風太さんが真似してました。後頭部にあべさんのお面をかぶってやってましたけど、「一人二役はつらい」そうです。
1. 東京ローカルホンク (間に合わず)
2. 村上律 (間に合わず)
3. 松田 ari 幸一 (途中から。おちつかなかったので聞き流した。)
4. 佐藤 GWAN 博 (vo, g)
5. 田川律 (vo) 他3名。
Mack The Knife の日本語版「包丁の律」というのをやってました。
6. おおはた雄一 (vo, g)
下北沢から。迫力のある歌とギターで盛り上げ拍手喝采。
7. ペーソス
初めて見ましたが、面白かった。専属司会がいる。本業はアダルト関係のメディアらしい。「なめだるま親方」というペンネームの島本さんがボーカル。昭和歌謡風で変な歌を歌う。シュウマイ弁当の歌とか、女性税務官のことを歌った「腰」とか。
8. 渋谷毅オーケストラ、ゲスト金子マリ
1曲目、ドラムソロ時のバッキングとのポリリズム感が面白かった。
ソロはみんなすごい。当たり前。
3,4曲目に金子マリさん登場!歌がやっぱりすごいいい。
演奏後に渋谷さんにご挨拶してきました。
9. コオロギ三郎(こと AZUMI) &キリギリス二郎(こと西村玄光)
アコギとエレギで二人ボーカル。「新人デュオ」だそうです。迫力あったー。また聞きたい。
10. 中川イサト (vo, g) with 三井ぱん(vo)と大村はん(g)
三井さんは落語家のような発声で愉快な歌を歌います。
11. サニーデイ・サービス
曽我部さ〜ん!きゃー。(もちろんパフォーマンスはいいです。)
東京から15時間のドライブで到着って、徹夜ですか。お疲れさまです。
このときだけステージ下に若者集結。盛り上がっていいんだけど、終わったらとっとと帰らずに他のアーティストも聞いてほしいなあ。もったいないよ。次がすごいんだから。
あと、サニーデイのときだけ小雨になるってどういうこと??
12. NIMA (dance) と坂田明(cl, as)
NIMA さんは故・あべのぼるさんが愛した人(夫人……いくつ違うの?)だそうです。衣装が普段着すぎてダンサーっぽくないですが、表現力豊かに踊り、会場も駆け回りました。坂田さんはまずクラリネットで、それからアルトでソロ。最後は「見上げてごらん夜の星を」。観客のみなさん歌ってました。
13. パパラッコスペシャル(古澤良治郎追悼バンド)
ピアノの石田幹雄さんがフリーっぽくて好きなタイプ。
このバンドの一曲目で次の会場に向かうため、私は退場。(実際はもう少し居ても間に合った。残念。)
この後登場予定で見られなかったユニットは五十音順で
2011/05/01 We Love Jazz @ 高松 Speak Low
三木智子(vo), 溝口恵美子(vo), 伊藤大輔(vo), 河村貴之(tp, flh), 萬 恭隆(b), 山本ヒロユキ(p), 谷和哉 (ds), 飛び入り:北村嘉一郎 (voice percussion), 紫帆 (ベリーダンス)
2日が三木さんのお誕生日ということでお誕生日ライブなのですが、ミュージシャンすごく集まりました。地元はもとより、東京から、関西から、広島から、岡山から。ほとんど、お祭り状態でした。一昨日が「街角に音楽を」のイベントだったのも手伝って北村さんも参加。
前半は上記メンバーの最初の6人が入れ替わり、たちかわり、あるいは全員で。後半は、ドラムの谷さんも加わり、さらに飛び入りの2名が予告外で。
三人のハーモニー、何度か聞いていますが、迫力出て来ました。三木ちゃんもだいぶ(歌に)貫禄でてきましたね。もちろん良い意味で。
この中では河村さんが初めてでした。広島のトランペッターですが、バラードのCDを出しているとのことで、バラード系が得意そうな渋い演奏でした。CDでもミュートやフリューゲルホーンを多用しています。
圧巻だったのは、全員でやった山本リンダの「どうにも止まらない」。一昨日は溝口さんのユニットでやってた曲です。それにさらにアンレジを加え(夜を徹してアレンジ考えたそうです)、組んずほずれつの乱交(?)セッションの様相を呈しておりました。ピアノの山本さんはちょっと弾いただけなのに紫帆さんの脱ぎ捨てた衣装(ストール)を振り回す方で目立ってました。
他には、Route 66, My Favorite Things, Cheek to Cheek などが盛り上がり曲。
これは、文句なしに楽しかった。ミュージシャンが何より楽しんでました。